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腰痛について

basisbodymaintenance

・本記事から得られるもの、理解できる事

〇「腰痛」の種類が理解できる

〇「腰痛」を緩和する方法が分かる

〇結局、運動が1番だと分かる

それでは、さっそく解説していきます!

こんにちは、Basisの新田です。

今回は前回の肩こりに続いて腰痛に関して皆様に少しでも分かりやすく伝わるように記事を書いていけたらと思います。しかし、論文なども改めて読んでみましたが「腰痛には運動(特にピラティスを含んだもの)が最強」という結論に至った次第です。

まず大前提として腰痛は成人の80%が経験するとも言われており、非常に多くの人が人生の中で高頻度に経験する疾患になります。また、厚生労働省が発表している「国民生活基礎調査の概況」においても、腰痛の有訴者数は男性・女性ともに1位となっており、この記事を読んでいる皆様の中には今まさに腰痛で悩んでいる方もいるかと思います。

 現場で日々セッションをしていると腰痛には種類があると感じます。実際、論文においても異なりますが「急に痛くなったのか(急性)」「長い時間をかけて痛くなったのか(慢性)」その中でも「身体を前屈して痛いのか?」「後ろに倒すと痛いのか?」などの要素にザックリと分けて考えると痛みの原因が見えてきます。さらに深掘りするのであれば、横に倒すと痛い・捻ると痛いなどの要素もあるのですが、今回は特に急性/慢性について解説していこうと思います。

 まず急性腰痛と言われるような突然、痛みが出てきたケースに対しての運動は効果的ではないどころか、危険な行為となることもあります。例えばred flagと言われるような「骨折、感染、腫瘍(がん)、炎症性疾患」であれば、すぐさま医療機関での診察を受ける必要がありますし、それ以外にも神経症状(しびれ)を伴う腰痛などであれば運動により腰痛が悪化することもあります。そのため、突然痛くなったケースの場合は私たちからも医療機関の受診を進めることがあります。

 逆に慢性腰痛と言われるような長い時間かけて痛くなったケースに対しての運動療法は非常に効果的であるということが論文的にも証明されているところです。例えば、1つの論文によれば、ヨーロッパ・アジア・北米・中東などの地域において3ヶ月を越える慢性的な腰痛のある人249例に対して運動療法(ここでは簡単に運動だと考えてください)を実施した結果を分析してみると、運動療法が他のすべての保存的治療と比較して痛みと機能的制限の結果(おそらく痛みに伴い→長時間座れないなどを指します)が改善されることが分かりました。

しかしながら、その中の86例には有害事象が報告された(詳細は書かれていませんでしたが、腰痛の悪化などを含むと考えられます)とも書かれています。もう1つ私が着目したのはこの論文の中にはmanual therapy(私たちでいう手技ですね)は運動療法と比較して有害事象の発言頻度が優位に低かったとも報告されています。

もう1つ別の論文からですが、慢性腰痛のある成人(18~65歳)の痛みと障害を軽減するために最も適した運動は何かを特定する研究において、痛みと障害に最も効果的な介入はピラティスを含むプログラムであったことが分かっています。特にピラティスの効果は高く痛みにおいては93%、障害に関しては98%が軽減しているデータとなります。この論文では最終的な結論として、(1)ピラティスまたは筋力トレーニングを週に少なくとも1~2回、(2)体幹トレーニング、筋力トレーニング、または心身トレーニングを60分未満、(3)ピラティスと体幹トレーニングを3~9週間行うトレーニングプログラムが含まれていると効果的であったと記載されています。

図1.痛みに関する介入ランキング

図2.障害に対する介入ランキング

ここまでを簡単にまとめると①慢性的な腰痛には運動(特にピラティスを含むプログラム)が最強②でも運動には腰痛の悪化を引き起こすことがある③手技は運動と比較して腰痛の悪化を起こしにくいということが分かります。「でもちょっと待って」「運動は効くけど腰痛を悪化させることもあるって事でしょ」「結局どうすれば良いの?」ここまで記事を読んでくれた方はこんな疑問が出てきていることでしょう。ここから先は私たちの強みでもあるので、お任せください。

 当施設では(1)手技によって筋緊張の適正化をする(まず身体を動きやすくしましょう)(2)適正化してから運動をしましょうという流れを大事にしています。結局それは運動の効果を最大限に引き出すため必要だと考えているからです。実際に利用者の方からも、運動はしてみたけどこれで正しいのか分からないなどの相談を受けることがあります。最近はYoutubeなどのコンテンツで効果的な運動をとても気軽に見られるようになりました。ですが実際にその人にとって効果的な運動になるのか、いまの段階ではその人にとっては負荷が高すぎるのかなどを判断する必要が高まっているとセッションを通じて感じています。

図3.当施設での運動風景(写真協力:施設代表の山下)

私自身も好きな言葉で“Exercise is Medicine”という言葉があります。この記事を読んでいる皆様の中でも、運動を好んでされている方は聞いたことがあるかもしれません。この言葉はアメリカスポーツ医学会が提唱しているもので、直訳すると”運動は薬になる”という意味です。

この記事が少しでも運動をちゃんと薬にするために、「私の腰痛はこれなのかな?」「もしかするとこの運動だと強すぎるのではないか?」などいま行っている対処が適切なのかを考えるきっかけになれば、幸いです。また、腰痛の対処に困っている・運動はしているけど痛みが変化しないなどを感じている方は、ぜひ当スタジオへ足を運んで腰痛に関して心配なことを相談して頂けると、少しでも安心できるのではないかと思いますのでお気軽にお越しください。

 それでは長文になりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

 Basis~からだのメンテナンススタジオ~ 新田

参考引用文献

1)2022年国民生活基礎調査の概況. pp.17

2)Jill A Hayden, Jenna Ellis, et al.: Exercise therapy for chronic low back pain: Cochrane Database Syst Rev.: 2021 Sep28;(9).

3)Ruben Fernandez-Rodriguez, Celia Alvarez-Bueno, et al.: Best Exercise Options for Reducing Pain and Disability in Adults With Chronic Low Back Pain: Pilates, Strength, Core-Based, and Mind-Body. A Network Meta-analysis.: 2022 Aug52;(8): 505-521.

山下 敏弘(Yamashita toshihiro)
山下 敏弘(Yamashita toshihiro)
理学療法士
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